薬局でつくる医薬品

第8回 薬局でつくる医薬品

石巻薬剤師会 理事 鈴木 利彦/2017年2月17日(金)公開

薬局では、処方箋(せん)で調剤する医薬品以外に薬局独自で製造(混和・溶解等)し販売する医薬品があります。

薬局の許可の主なものに、「薬局開設許可証」「毒物劇物一般販売業登録票」「医薬品製造業許可証」などがあり、「医薬品製造業許可証」に基いて、一定の要件に適合して、作るのが薬局製剤です。 薬局製剤の淵源は古く、現在でも全国で、約一万八千薬局以上が、この製造業の許可を持つといわれています。

薬局製剤の目的は、患者さんの訴えや相談に応じて、合った薬局製剤があれば、薬剤師自らの判断でこれを製造し、それぞれの薬局のオリジナル商品として、供給できると言う事です。製造した医薬品を販売する時は、処方箋で調剤した医薬品と同じ様に、用法、用量、保管方法、使用期限、その他必要な注意事項を説明した文書を添付又は表に表示します。

使用上の注意などは、市販されている同種製剤のモニター等の報告から、逐次改正や追加が行われる事があります。

薬局製剤には、かぜ薬、解熱鎮痛薬、漢方薬、ビタミン剤など多種におよびます。しかし、現在では、美麗で豪華に包装された一般用医薬品の販売に押されて、その活用は目下、下火となっている様です。

最近の薬局は、処方箋調剤が主な仕事になりつつあり、販売の方も、メーカー各社から発売されている一般用医薬品(OTC薬)で十分だとする考えが主流の様です。

とはいうものの、将来医療保険財政の危機や改革、消費者ニーズの変化などで、今は人気がない薬局製剤が見直される時期が、来るかもしれません。