女子薬剤師部会の誕生

第19回 女子薬剤師部会の誕生

石巻薬剤師会 理事 松本 匠子/2017年2月17日(金)公開

それは昔々のお話でした。と言いたくなるくらい遠い日に思えてまいります。

昭和54年8月だったと思いますが、その当時私たちは発起人会を作り、薬剤師会から名簿をかりて石巻全区の人達に呼びかけ、何とか女子薬剤師会の設立総会にこぎつけました。

会長は誰という事になり、家庭の都合により会長には、ちょっと、という方々が多く、一番年上の私という事になりました。

皆様の協力がいただけるのならとの条件で引き受けたような気がします。

年間通しての行事はあまり多くなく、少しの事を確実に、との思いで、①総会②月に一度の勉強会③レクリエーション大会④忘年会。総会はどの会でも終わるであろう5月頃に、勉強会は第三火曜日に、レクリエーション大会はいも煮会、ボーリング大会、家族もまじえたもの。最後の締めは子供同伴の忘年会、そして薬剤師会の事業にはなるべく参加するように心がけました。

働く女性は、常に家族の理解と子供達の犠牲が伴うもの。その中で自己の研鑚、自己研磨、又与えられた試練にも耐えられるような人間になるようにとの願いがあって、それが出発点になりました。

薬剤師会から補助をいただき発足いたしましたので、薬剤師会の事業にはなるべく積極的に参加しております。

開局部会の行事の、クスリと健康の週間には体育館で行われた時に薬草のいけ花展をやり、思いもよらない友達ができたり、市役所の方々の友達が出来ました。又、いも煮会では勤務薬剤師部との合同で、ボーリング大会は家族といつもお世話になっている問屋の方々にも声をかけ年々大きくなっていってます。

さて、薬剤師であるかぎり勉強は付きもの。月一回の漢方勉強会を開きました。思えば何とぜいたくな講義だった事でしょう。故高橋省哉先生は中医学の第一人者で東北地方の中医学の会長でもありました。その先生にひざを交えて勉強が出来た事が何より意義があったように思えます。時には3~4人の時もありました。やめようかとの声もありましたが”存続は力なり”の先生の励ましのお言葉に支えられ、そして何よりとても立派な先生なのに私達の仲間であるかのように接してくださいました事、又いつも笑を忘れず勉強の合間には私達の仕事上の患者さんとのお話とかクスリについてのお話には必ずヒントを与えて下さいました。自然と横のつながりも出来、仕事上のわからない事、考え方等、ずい分助けて頂きました。省哉先生は良く私達に話して下さいました。「我々薬剤師は先ず家族の健康管理者であれ」と...。

その言葉通りこれからも女子薬剤師ならではの家族の健康保持管理に、又、皆様の良き健康相談者として進んで行かなければ、と強く感ずるこの頃です。

そしてやはり私達の一番の得意分野は女性同士ならではの健康相談でしょう。いくら男女平等時代とは言えど、女性にしか解らない健康の悩みはたくさん有りますから...。